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タイトル: 感動の一句をどうぞ。の返信 投稿者: 一本勝負の悠

今日の一句: 囲われて地獄極楽女郎蜘蛛

百人一句

われ病めり今宵一匹の蜘蛛を宥さず

野澤節子

野澤節子
のざわ せつこ
日本の俳人。
死亡: 1995年4月9日
書籍: 鳳蝶、 女性のための俳句入門、 光波: 野澤節子句集、 野澤節子全句集、 春と夏の歌
~ウィキペディアより。

暮色もて人とつながる坂二月
                        野沢節子
二月。春も間近だ。気分はそうであっても、まだまだ寒い日がつづく。この句は、そのあたりの人の心の機微を、実に巧みにとらえている。すなわち、夕暮れの坂を歩いている作者は、そこここの光景から春の間近を感じてはいるのだが、風の坂道はかなり寒い。ふと前を行く人や擦れ違う見知らぬ人に、故なく親和の情を覚えてしまうというのである。これが花咲く春の夕刻であれば、どうだろうか。決して、心はこのようには動かない。浮き浮きした心は、むしろ手前勝手に孤立する。自己愛に傾きがちだ。(清水哲男)

 太陽を探しに遠足坂また丘

                野沢節子
曇り日の遠足。いまにも降ってきそうだ。もうひとつ心が弾まない。自然に足どりも重くなる。坂道を登ったと思ったら、また前方に小高い丘が見えてきた。ヤレヤレ。なんだか、みんなで苦労して太陽を探しに来ているみたい。お弁当の時間まで、もう少しだ。ちょっとでいいから、晴れてほしいな……。と、曇天下の遠足を詠んだ句は珍しい。日本のどこかでは、今日もこんな遠足が行なわれていそうだ。(清水哲男)

 春昼の指とどまれば琴も止む

                 野沢節子
つとに知られた句。あったりまえじゃん。若年のころは、この句の良さがわからなかった。琴はおろか、何の楽器も弾けないせいもあって、楽曲を演奏する楽しさや充実感がわからなかったからだ。句は、演奏を終えた直後の気持ちを詠んでいる。

後略~増殖する俳句歳時記より。

蜘蛛/くも
三夏

女郎蜘蛛

節足動物クモ目の総称。網を張るものばかりではなく、特殊な巣を作るクモや、徘徊性のクモもいる。日本には約千二百種類が知られる。

蓮の葉に蜘蛛下りけり香を焚く
夏目漱石「漱石全集」
沢の辺に童と居りて蜘蛛合
芝不器男「芝不器男句集」
~きごさいより。

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