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タイトル: 感動の一句をどうぞ。の返信 投稿者: 一本勝負の悠

今日の一句: 三月の島影のたりのたりかな

三月の甘納豆のうふふふふ/坪内稔典

                           
この句を有名にした理由は、なんといっても「うふふふふ」という音声を活字化した作者の度胸のよさにあるだろう。EPOのかつてのヒット曲に『うふふふ』があるが、彼女の場合には「うふふふ」を音声で(歌って)表現しているわけだから、度胸という点では稔典には及ばない。いずれも春の歌であり、春の喜びを歌っていて、両方とも私は好きだ。ところで、このときの俳人の度胸は、単に音声を俳句に書き込んだという以上に、既成の俳句概念をすらりと破ってみせたところで価値がある。従来の俳句は「うふふふふ」を、字面の外から聞かせる技術の練磨に専念してきたと言えようが、稔典はそのことを十分に踏まえつつも、あえてあっけらかんと音声そのままに提出してみたのである。「言外」という、なにやらありがたげな領域への文学的な信仰を無視したとき、現われてきたのは、誰もが素朴に生理的に嬉しくなってしまうような「三月」の世界であった。この覿面の効果には、作者ももしかすると吃驚したかもしれない……。ただ、この句を思いだすたびに俳句のなお秘められた可能性を思うが、同時に稔典を安易に真似した句の氾濫には憂鬱にもなる昨今だ。『坪内稔典集』所収。(清水哲男)
~増殖する俳句歳時記より。

三月は年度替りの、忙しい月である。
何かが終了して何かが始まるのを待機する月である。
喜びの予感と悲しみに浸る月でもある。
早咲の桜が咲いたり、名残雪が降ったりする不思議な月。

◆悠
三月のあれからずつと海鼠噛む

三月のふたりでつまむあまなつと

三月の十一日の海を見る

三月の三角四角さやうなら

三月の夜行列車で
東京へ

◆芭蕉の言葉

俳諧は、教えてならざる処あり。能く通ずるにあり。
或る人の俳諧はかつて通ぜず。
ただ物をかぞへて覚ゆるやうにして、通ずる物なし。


誹諧《詩》は教え教わるものではない。
理屈の計算づくで《詩》は作れるものではない。

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