かぎろいさん、こんばんわ。いつも御世話様です。
稲妻にこぼるゝ音や竹の露
現代語訳 稲妻にこぼれる音がする 竹の露
解説 敢えて「稲妻」と「露」の季重なりあるいは当時はどちらかが季語では無かった可能性もある。蕪村は稲妻という視覚情報から何か溢れるような音を感じた。ふと目をやった先にある竹の露からこれから雨が降る事を確信したのだと思う。
大門の重き扉や春の暮
現代語訳 大きな門の重たい扉 春の暮
解説 季語の「春の暮」は「春の終わりのほうの時期」と「春の夕方」の二つの意味がある。私は後者と見た。大きな武家屋敷のような所で働く者が帰宅する瞬間を捉えた句だと思う。
春の海ひねもすのたりのたりかな
現代語訳 春の海は一日中のたりのたりとしているなあ
解説 「のたりのたり」はいわゆるオノマトペ。波の様子だけではなく春の海の空気感までも「のたりのたり」に集約されている。
以上。