という訳で竹内さんの質問にお答えしたいと思います。
取り合わせの基本は「大と小」「具象と抽象」「上と下」など正反対の物どうしを取り合わせるのが基本とされていますね。さらになるべくさりげなく取り合わせると距離感が「程よい」と評価されます。
また、基本に忠実というかある種のテクニックとも言えますが抽象的な表現を控え目にして具体的な描写を心掛けると「ゴマカシ」が効きます。拙句を例にとれば
風死すや帽子の鍔に塩の波
この句は私を含め10人の句会で7人の方に採って頂きました。句会では自分の句を選らばないので9人中7人の評価になります。
採らなかった方の意見は「生々し過ぎる」という方が一人、指導の先生から「取り合わせの距離感が近すぎる」との事でした。「生々しい」と言われる位具体的な描写をすると読者の距離感を誤らせる事も出来るのです。
はっきり言ってしまうと取り合わせの距離感に正解はありません。詠んだ時はいいと思った句でも1年位経ってから季語を差し替える事もあります。
もし、「冬銀河」と「映画館」の距離感に不安があるのでしたら1年後に改めて検討されてはどうでしょうか。勿論、映画館に対しての様子(形容詞や形容動詞、動詞の使い方)によっても距離感が変わります。
句歴が浅い私の説明だけに誤った点の指摘や補足あるいは違う意見がありましたら書きこみを宜しくお願いいたします。