例えばですが、少女コミックは三角関係等も含めての恋愛ものが多く、少年コミックはスポーツも含めてバトルが多い、みたいな(ステレオタイプですが)印象があります。
少年誌では「争い」を描き、少女誌では「諍い」を描く、と言い換えてもいいかもしれません。そういうテンプレなんでしょう。だから、少女ものとジャンル分けされると、「争い」を描かれると読者ががっかりすると危惧する向きもあると思います。
もちろん、何を描くかは作者の自由です。もし、「たとえ少女ものと言われても、がっかりされてもバトルを入れるんだ」と思えば、入れたらよいです。
しかし、もし「せっかく少女ものらしさがあると言われたんだから、少女もののテンプレに従ってみるか」と考えるのなら、そういう路線で一作を仕上げてみるのも一興かもしれませんね。
少女ものと少年ものの違いは何だということについては、やはり自分で両方のジャンルを読んだり、観たりしてみるしかありません。感性的なものなんで、実感してみるしかなく、実感するには経験してみるしかありません。
だけど、とりあえずやってみるとしたら、上記のような違いだと、大雑把に理解して、やってみてもいいような気がします。例えば以下のような要領。
とりあえず、ヒロインを設定し、ヒロインを大事にするようにして、恋愛要素をメインで入れる。ヒロインは彼氏キャラに好意を抱く。そこへ、同じく彼氏キャラに好意を抱くライバル女子を登場させる。登場時のライバル女子の魅力としては、モブキャラ基準では、ライバル女子>ヒロイン。
少年ものだと、ヒロイン vs ライバル女子の構図を直接的に描き、ヒロインとライバル女子を争わせます。軽い感じなら、どちらが彼氏キャラとデートの約束を取り付けるるかで争い、ライバル女子がヒロインを排除しようとし、ヒロインも負けじとライバル女子を抑え込もうとする。
だけど、女性向テンプレだと違ってきます。ライバル女子が嫌味なキャラであれば、ライバル女子は直接的にヒロイン排除の行動をしても可です。しかし、ヒロインは嫉妬をしても、ライバル女子に直接的には向かいません。
判定を彼氏キャラに預けるのです。だから、ヒロインがライバル女子を攻撃することはない。ヒロインは彼氏キャラに救いを求め、彼氏キャラによりライバル女子を排除してもらう運びになります。
言い換えれば、少女路線テンプレでは、ヒロインの力は価値判断の力を持つ彼氏キャラによって発揮されるのです。彼氏キャラ=勝利条件=価値評価の神に選ばれる、ということですね。少年ものだと神頼みをせず、ライバル同士の直接対決です。
物凄く大雑把に一部のテンプレだけで説明してみました。大雑把にして部分的な点、ご高察を願います。自分の描いているものがどういう路線なのかをきちんと知って、長所を生かすのなら、やはり幅広いジャンルに当たってみる必要があることは、念押しして述べておきたいと思います。