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風の舞う地 の批評(元記事)

はじめまして、カイトと申します。
貴作を(「微風2」までですが)読ませていただきました。厳しい意見もあるようですが、自分はこの物語はとても面白いと思いましたよ。読者のわかりやすさに配慮したご都合主義のファンタジーとは一線を画した世界観は、「十二国記」や「皇国の守護者」を思わせます。ここまで綿密に世界を作り込んでいるのはお見事ですし、「自分の書きたいものを描くんだ」という作者の気概を感じました。
自分は世界観の設定とか裏設定とか話の本筋には関係ない小ネタとか、大好きなんですよね。自分で考えるのも好きで、それこそ「グウィディルン」のような世界も一つ懐に隠しているのですが、設定を決めたことで満足してしまって、その中に住む人々の物語を描くところまで気力が続かず宙ぶらりんで放置してしまっています。ですので、もってぃさまのように世界観設定と同時に物語を動かせるのは尊敬します。まだ途中までしか読めていませんが、一読者としてこの先を楽しみにしています。

さて、大変面白く読ませていただいていますが、思うところがないわけではありません。他の方の意見と被らないところを指摘させていただきます。
まず、世界設定について。
〈瘴〉が出現して七百年とありますが、それだけの期間があってまだ人類は滅んでいないのか、そこが突っ込みどころです。プロローグを読んだ時点では正直七十年でもいいと思いましたが、その後「失われて久しい古の魔法」とか出てきたのでそれはないとして、それでも七百年は長すぎです。その間に魔法が失われた一方で火器がほとんど発展しなかったというのも疑問ですし、そもそも一つの「聖王朝」がそれ以上の長期間存続し続けているというのにも違和感がありました。
それとやはり、設定を語ることが多すぎる気がします。自分で考えた世界の隅々を知ってもらいたい、という気持ちはすごくわかります。だから「戦巫女リゼルバラ」とか、ユリアが貴族のボンボンに横恋慕され紆余曲折を経た上で無事エリベルトと結婚した話とか、時間や長さの単位を独自に設定しているところとか、自分はすごく好きなんですが、でもやっぱり話の本筋にはほとんど関係ない情報ではないでしょうか。戦巫女の名前を出す必要はないし、エリベルトとユリアのドラマも惜しいですがなかったことにして、「二人は今や似合いの新婚夫婦である」くらいでいいと思うし、単位はいじらない方がわかりやすいです。混乱と脱線の元になりかねません。どうしても書きたいときは、外伝などで場所を改めた方がいいかもしれませんね。
自分は設定を読むのも好きですが、多くの読者は登場人物達の「生の会話」を望んでいると思います(もちろん自分もです)。その比重が、物語の中で軽んじられている気がします。
それから登場人物について。
主要な人物が五人もいる群像劇ですが、なんだか五人とも似通っています。「仁・義・礼・智・信」が割り振られているとのことですが、正直誰がどれでもいいというか、五人が揃って「出自も素行も魂も品行方正」です。乙女ゲームばりに個性を出せとは思いませんが、大公家の御曹司が異常なほどの苛烈さを持っていたり、在郷の志士が時折その出自をうかがわせる粗野な一面を見せたり、辺境伯が雅を愛する粋人であったり…といった、もう少しわかりやすい個性があって良いと思います。あと、名前も似ています。五人中四人が「あ行」で始まる名前、というのはいただけません。というか、「ア」から始まる名前の人物がちょっと多すぎな気がします。古代ローマやギリシャをモチーフにしているのでしょうが、名前だけは現代の欧風にするなど、もう少し取り付きやすいものにすると良かったかもしれません。
カタカナとルビについて。
世界設定上カタカナが多用されるのは仕方がないのですが、それならせめて本文で漢字、ルビでカタカナのほうがスムーズに読み進められる気がします。「大鷲獣(グリフォン)」「東屋(ガゼボ)」みたいな感じです。これは、自分がゲーム等しないせいでそういった単語に不慣れなだけかもしれませんが…
あと、ルビで読み替えを多用しているのにも少し違和感を感じました。「憧れの存在(ヒーロー)」「理由(わけ)」など、話が進むにつれそれが増えている気がします。読者に読ませたいようにルビなしで表現するほうがスマートではないでしょうか。
最後に、特に第一章ではほぼ一話ごとに作者コメントがちょこっと記載されていましたが、それにより読書への没入感が削がれてしまいました。読者の反応が見たい気持ちはわかりますが、続きが気になっているところにブレーキをかけられているような気持ちになってしまい、残念でした。

自分もまだまだ未熟な身でありながら、色々と偉そうにすみません。自分の批評は作品作りにはまったく力不足とは思いますが、貴作がとても面白いと感じたのは事実です。続きを楽しみにしております。
長々と失礼いたしました。

風の舞う地 の批評の返信

スレ主 もってぃ 投稿日時: : 0

コメントありがとうございました。
長文を頂くことができ、感動しました。励まされます。

ご指摘のうち、キャラの書き分けに関しては自分でもその通りだと思っています。
やはり以前に別作品で〝みんな品行方正〟と言われました。
そこが一番悩んでいるところです。
(こういう所まで踏み込んで読んで頂き、本当にありがとうございました。)
ただ、本作が複数の主人公の群像劇を選択したのは、一つの戦争(戦記物なので!)を
①主人公の一人称で語るのは何だかできなかった
②各陣営1人ずつの主人公をライバルとして互いに描くのも、それこそキャラを
 魅力的に描けそうになかった
という感じで、キャラクターを描き分けるというよりも、状況を複数観点で描きたかったからなんです。あんまり上手くいってないですけど。。。
(───そうするのであれば、主人公の何人かはそれこそ市井の人とか傭兵とか立場を変えて描くべきでしたが、戦記物だからみんな武人で! と安易に創り込んでしまった。)
そういう言い訳はともかく、キャラクターの引き出しが少ないという欠点が悩ましいです。

名前の指摘はですね、、、興醒めさせて申し訳ないのですが、自動生成サイトで作りました。あんまり気にせずコピペして書いていったら、確かにア行ばっかりになってました。ちょっと〝こういった姿勢〟は考えねばなりませんね。ごめんなさい。

他の方のご指摘も絡めて、自分の中で違和感を感じる指摘としては〝地の文での説明が多い〟なのですが、これについては自分の考えを書かせてください。
戦記物なので(現在の勢力間の)情勢や地勢、歴史的背景などの情報を読者に把握してもらわなくてはなりません。
それを登場人物の台詞で語らせた方がいい、という方もおられますが(カイトさんはそう仰ってないですけれど)、作中世界では常識でお互い前提としている情報を、わざわざ〝誰か〟のために語るような武人って、どうなのかなあ、と。
「あっ!あれは数万年前に絶滅したはずのゴジラだ!」的な台詞の応酬になると興醒めしちゃうな、というのが自分の正直な思いだったりします。
(あ、でも、富野由悠季の作風は好きで、わざわざ時代がかった感じに入ってくる「あぁ。異星人が我々と同じ文明レベルを持っているとしたら、接触を避けねばならんからイデの捜索が出来なくなる」みたいなのは好きだったり。。。ダブルスタンダードですね)

とは言え、拙作の場合は単に書き方が下手なだけなので、そこは反論できないですけど。
───ご指摘の〝エリベルトとユリアの件〟と〝戦巫女リゼルバラ〟も後の展開のちょっとした伏線になってるんですけど、それに行き着く前に「説明過多」と感じさせてしまっているのは、書き手が下手だからですね。ごめんなさい。

設定の件では、あとは〝〈瘴〉が出現して七百年〟について、なるほど、考えさせられました。自分はそんなに違和感を抱かせるとは思わなかったんですよ。
七百年の根拠はないんですけど、ノアの箱舟の洪水のような勢いではなく、ゆっくりと浸かっていくような感じじゃないと浮き島を浮かせられないんじゃないかな、と思ったのですけど、そこは読者と自分の感覚の差があるわけですね。
もっと本質を言えば、説明に説得力がないから違和感を感じさせてしまったのですけれど。

他にもいろいろとためになるコメント、ありがとうございました。
あ、〝続きが気になっているところにブレーキをかけられているような気持ち〟にさせる「前書き」「後書き」は消しました!

スレッド: 風の舞う地

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