レシピの6// 《本日の俳人》
死刑囚
大道寺将司
雹叩く監獄に吾れ生きてをり
翅一枚遺して蝉の食はれけり
痩せ骨にこころざしあり初明り
生きてまた迎へてをりし今朝の春
時として思ひの滾る寒茜
わが胸に杭深々と風光る
すさびたる寒風胸の内より来
重なりて日の当たらざる柿一つ
絞縄の揺れ停まりて年明くる
棺一基四顧茫々と霞みけり
昭和23年北海道生まれ
天皇お召し列車爆殺
三菱重工ビル爆破事件など起こし
50年逮捕62年死刑確定
平成21年 癌発症
◆俳句はメッセージである。 言いたいことを十七文字で言うだけだ。