「就職の子の大人びた寝顔かな」の批評
回答者 南風の記憶
添削した俳句: 就職の子の大人びた寝顔かな
いなだはまち様、こんばんは。「ガジュマル」の句の批評、ありがとうございます。
ガジュマルは、沖縄を代表する木であり、ものによっては樹齢300年のものもあるそうです。また沖縄では、妖怪キジムナーが住むとも言われています。ですからガジュマルは、”長い時間”を象徴する木でもあります。
貴殿の「下五のオスプレイに違和感がある」とのコメントは、実に興味深いものでした。同様の感想を抱く方は、少なくないと思います。いいのです、それで。
なぜなら……この句は、「沖縄の基地問題=政治的主張の対立」という”空気感そのもの”に戦いを挑むつもりで、詠んだ句だからです。
前述の通り、ガジュマルは「長い時間」の象徴です。それに対して、オスプレイに象徴される基地問題は、たかだか数十年の「短い時間」です。ガジュマルの悠久さに比べれば、基地問題の是非など一瞬の幻に過ぎないというわけです。
基地問題について口にした瞬間、左右のイデオロギーで色分けされる危険を孕みます。そう単純なものじゃなく、もっと深い意味を含むものだと、多くの人に伝えることはできないものか。……俳句なら、それが可能だと思ったのです。
沖縄の問題を、単なる左右のイデオロギー闘争にしてはならない。もっと深く考え、どうすることが良いのかを我々は判断していくべきである。そんな思いを、私はこの句に込めました。
点数: 1