「密を避け壇蜜で抜く夏休み」の批評
回答者 南風の記憶
添削した俳句: 密を避け壇蜜で抜く夏休み
いなだはまち様へ。貴殿がサイトを去られた件について、親交のあった者の一人として、遅ればせながらコメントさせていただきます。
私も当然、いなだ様がサイトを去ってしまうことは残念ですし、サイトを去るべきだとも思っていません。
ただ申し訳ないですが、貴殿に寄り添うことはできません。事の発端となった、この御句については、確かに”セクハラ”と取られても仕方がないと思います。
まず断っておきますと、いわゆる下ネタ自体がダメと言いたいわけじゃありません。夏井いつき組長も「俳句でやってダメなことはない」とおっしゃっており、実際に自慰を詠んだ句を人選に選んでいます。
ただ……いなだ様の句は、ダメです。理由は単純で、まったく季語を生かし切れていないから。あの内容を詠みたい気持ちが先に立ち、季語「夏休み」は取って付けたようです。それ故「壇蜜で~」の部分が悪目立ちしてしまい、読んだ人には下品な印象を与えてしまうのかと。
どうしても”自慰”を詠みたいのでしたら、せめて人物の「切ない気持ち」が伝わってくるように表現すべきだと思います。
例)コロナ禍や自慰を貪る夏休み
”季語を生かす”という俳句の基本を忘れ、下品な内容を読みたい気持ちを優先させた結果、しっぺ返しがきたのです。「基本に返りたい」と仰っていた貴殿が、あまりにもらしくない。それが残念です。
ただ失敗は、誰にでもあります。貴殿がすべきは、サイトから去ることではなく、基本に立ち返ったいなだ様本来の句を、私達に披露していただくことかと存じます。俳人はあくまでも”作品で勝負”ということを、私は信じます。
目上の方に対して、若輩者が失礼な物言いの数々、お許しください。私なりのいなだ様へのエールと受け取っていただければ幸いです。
点数: 3