「紫陽花よ雨で輝き増しにけり」の批評
回答者 つちや郷里
添削した俳句: 紫陽花よ雨で輝き増しにけり
東野宗孝さんこんにちは。
御句
まず「紫陽花」と「雨」の取り合わせは類想のど真ん中ということを指摘しておきます。
どう発想を飛ばしていくかは、これからの経験で培っていくものなので、この件についてはここまでにしときます。
御句の内容について3つほど気になった点がありました。
・まずは「よ」という詠嘆です。決して悪くはないと思いますが、雨に塗れると大抵のものは輝くので、「他の花と違って紫陽花こそは」というニュアンスを出すために「は」という助詞を使うのも一つだと思います。
・二つ目は「で」という助詞です。この助詞は非常に散文的になりやすく、要注意な助詞です。東野さんが言いたいことは「雨によって」ということだと思うので、「に」という助詞が適切だと思います。
・三つ目は「増す」という言葉です。これは描写の言葉というよりかは説明の言葉に思えます。同じような意味で「一層」という言葉を使えば描写になるかと思います。
以上の点を抑えて添削してみます。
・『紫陽花は雨にいっそう輝けり』
ちなみに「輝けり」の「けり」は俳句等で詠嘆に使う「けり」ではなく、動詞「輝く」の已然形、もしくは命令形である「輝け」に完了・存続の意味を持つ助動詞「り」が修飾したものです。
既にご存じでしたらすみません。
またよろしくお願いします。
点数: 0