「名月や旅に出てこそ輝けり」の批評
回答者 つちや郷里
添削した俳句: 名月や旅に出てこそ輝けり
なおじいさんこんにちは。
御句
まず2番の方にお答えしますが、輝けりの「けり」は切れ字のけりではなく、動詞「輝く」の命令形である「輝け」に完了・存続の「り」がついた形です。
なので切れ字が二つある俳句ではありませんが、「り」自体が終止形でわりと強く切れる形なので、気になるという人も一定数いると思います。
ちなみに完了・存続の「り」は一般的に動詞の已然形につく形だと解説されることが多いですが、最近の研究では命令形につく形であるとされているようです。
1番に関してですが、基本的に「や」は場面転換の役割がありますが、句の内容によっては場面転換せずに、びっくりマークのような単なる強調として使われる場合もあります。(例:「菜の花やはっとあかるき町はづれ」正岡子規)
この句の内容ですと場面転換なしと捉えれますし、名月をとにかく強調したいという意思がおありなら「や」のままでいいと思います。
「や」と「り」で二回強く切れるのが気になると上述しましたが、連用形止めで「輝ける」とすると切れがなくなり、さらに余韻も出て、季語の「名月」の方に視点が戻り、季語をより深く味わえる書き方になると思います。
私の知識と解釈の中から解説しましたが、間違っていることもあるかもしれませんし、いろんな解釈が出てきそうなので、他の方の意見も聞いてみたいですね。
またよろしくお願いします。
点数: 3