俳句添削道場(投句と批評)

長谷機械児さんの添削得点の低い順の92ページ目

「フォーク手に梨の剥けるを待つ子かな」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: フォーク手に梨の剥けるを待つ子かな

なおじいさん、こんにちは。

御句について。

・とても「梨」らしい光景だと思いました。「柿」だとそんなに子どもが待っていない気がするし(秋の果物のなかで、子どもにあまり好かれてなさそう…)、「林檎」だと待たずに皮ごと齧り付くという暴挙も可能なので。
・「なんだか普通」というのは、「待つ子かな」という着地にあるような気がします。中七までの言葉から想像出来る範囲内にある下五、という感じ。

「フォーク手に」にあたる部分を後半に持って行くのはどうかと、

 梨剥けば子らはフォークを握りしめ
 梨を待つ子の手に銀のフォークかな

今後ともよろしくお願いします。

点数: 4

「主なき部屋の清掃小春かな」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 主なき部屋の清掃小春かな

マサトさん、こんにちは。

御句について。

・「主なき部屋」という字面に、故人の部屋というイメージを持ちました。これに「清掃」ときたら、遺品整理や特殊清掃といったものに…。
・「型・その3」の練習とすると…。末尾の切れ字「かな」について、途中で切らないことで下の句の言葉で句全体包み込む、といったことを「20週俳句入門」には書いてあります(私の手許にあるのは電子書籍版で、70%のところ。第15週-「漢字・平仮名・片仮名」-〈さとみの句〉の中)。御句は「清掃」の体言止めで中七に切れが入っているので、「小春かな」が取り残されている感じがします。
・「小春」は季語としてちょっと時季が早いかなと思います。が、「少し前の思い出」なので、ちょうど「小春」の頃だったのかもしれず…。

コメントにある景を句にしようと思うと「妻の留守」という語を下五に置くのが良いかなあと。型が変わりますが、

 小春日や掃除はかどる妻の留守

「型・その3」に拘ると、

 妻留守にする部屋を掃く小春かな (何か窮屈…)
 掃除機の音ひびかせる小春かな  (妻の要素を消して清掃を具体化)

今後ともよろしくお願いします。

点数: 4

「ツーリング岬の風とひまわりと」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: ツーリング岬の風とひまわりと

こんにちは。

2句目ですが、今回はちょっと厳しめのコメントとなります。添削の必要は、十分にある句です。

全体的にぼんやりした句という印象を受けました。コメント「伊良湖岬の近くにひまわり畑があり、岬へ向かう途中で見た海は絶景でした。 全身で海風を感じながらのツーリングは爽快でした。 」を一句にしたもののようですが、夏休みの絵日記(どこそこへ行きました。何を見ました。何がありました。とても楽しかったです。)を無理矢理十七音に収めたという感じを受けました。

個人の日記としては十分でしょうが、他人の目に触れるつもりで作った一句としては…。

言葉の選択として、上五「ツーリング」はかなり損していると考えます。オートバイか自転車か判然とせず、何なら電車・自動車・徒歩でも「旅行」(tour)をすることが「ツーリング」ですので、五音も使って「旅」としか言っていないに等しいです。ここで語を「旅」に変える、という提案で済ませてもよいかも知れません。が、「旅先で見聞きした経験」を句にするのにいちいち「旅」の語は要らない、とも言えますので、上五はまるまる削除、と、私は考えます。

 向日葵や岬の風を身に受けて

「ツーリング」の語を削り、コメントにある言葉で一句にするとこんな感じになりますが、まだありきたりな句でしょう。
「風」に対する感覚の解像度を上げ(「爽快」だけでは俳句に使いづらい)、とりあえず「身に受けて」としたところを、ががまるうさこさんならではの言葉に変えたり出来ればよいかな、と思います。

よろしくお願いいたします。

点数: 4

「波打てば揺れる人波夏の海」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 波打てば揺れる人波夏の海

イサクさん、こんにちは。

御句について。

何か不自然なんだなあ…と考えて、思い当たった点をいくつか。

・「波打つ」の意味。国語辞典的に第一義は確かに“波が寄せてくる”なのですが、実際の使用でよく見かけるのは二番目の意味の“波のような起伏がある/波のように揺れ動く”のほうだったりします。上五に唐突に「波打てば」とくると、波状になった何かの比喩なのか? とまずは受け取るものではないかと思います。
・「揺れる人波」。これまでにコメントされている方々は当たり前に把握出来ているみたいなのですが、私には最も引っかかる言葉遣いでした。「人波」というからには、大勢の人がひしめきあって波のようになっているわけで、海の波が来ようと来なかろうと、もう揺れているのでは?
季語「夏の海」。今回、月曜のN先生のコメントで「夏の波」(角川の歳時記では「夏の海」の傍題)の句も“ひとまず頂いております”とされていましたが、この句はまさしく「夏の波」で一句にすべきものだったろうと思います。

季語「夏の波」から始めて、「揺れる」を別の語に変えて、という案を、

 夏の波打てば崩るる人の波

今後ともよろしくお願いします。

点数: 5

「名月や母居ぬ部屋にかうかうと」の批評

回答者 長谷機械児

添削した俳句: 名月や母居ぬ部屋にかうかうと

しお胡椒さん、こんにちは。

御句について。

・「母居ぬ部屋」が言葉として窮屈に感じました。
・「煌々と」を旧かな表記すると、「かうかうと」ではなく「くわうくわうと」となるようです。ただ、私はコメントにある「青白い」のほうが具体性があっていいのではないかと思います。

添削と言うより改作レベルの提案になってしまいますが、

 亡き母の部屋青白し今日の月

今後ともよろしくお願いします。

点数: 5

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