「噦りするエコーの吾子や稲光」の批評
回答者 長谷機械児
添削した俳句: 噦りするエコーの吾子や稲光
げばげばさん、「秋刀魚の目」句の感想ありがとうございます。
御句について。
・よし造さんと同じく「エコーの吾子」に引っかかりました。内臓系の病気疑いでエコー検査を控えている子がしゃくりあげて嫌がっているとか、あるいは先日投句のあった「ハイライト」句を踏まえてタバコの銘柄俳句でも始められたか(すると、この「吾子」は結構な年齢で、初めてタバコを咥えたら大いにむせてしゃっくりし始めたなどという珍妙な情景に…)とか。
・胎児のことを、素直に「胎児」と読むよし造さんの提案には賛成ですが、そうなると季語「稲光」が気になります。胎児と稲光を並べ置いた視覚イメージは、ホラーでしょう(江戸川乱歩や夢野久作が描きそうな廃墟じみた病院の景色…)。
季語は変えた方がよいのではないかなと思いつつ…。
しゃっくりする胎児いとしや秋の空
これは、よし造さんの提案句上五中七に、ごく無難な季語をつけたもの。
現代の病院の検査室内に居るときに、季語の事物を見聞きするなんてことは先ずないでしょうから、季語の扱いが観念的になるのは仕方がないのかなとも思います。
今後ともよろしくお願いします。
点数: 2