俳句添削道場(投句と批評)

なおさんの添削最新の投稿順の1363ページ目

「炎天下戻るナインの真白き歯」の批評

回答者 なお

添削した俳句: 炎天下戻るナインの真白き歯

こんにちは。負乗様、いつもお世話になってます。

拙句「人工池」ご評価ご添削有難うございました。ほんと、ちゃっかりしてますよね。浅くてキレイな池で、休日だから人もいないので、小さい子を連れて通りかかった親御さんは、誰でも「こんなところで遊ばせたいな、安全だし」と思うでしょう。でも、常識的にそれはまずいだろうと我慢する。しか私が見た時は、数人の子どもを遊ばせていた。案の定、防災センターさんという感じの人に注意されてましたけどね。

御句、いい感じですねー。本当に気持ちがいいです。私は高校野球は大好きですから大いに共感します。
短く刈った髪、真っ黒に焼けた顔にのぞく白い歯。青春ですね。

提案句を置かせていただくにあたって考えたこと。ナインが歯を見せるのは、得点した喜びからだけではない、ピンチであってもニッコリするんだよ、そこがいいところなんだ、と言いたかった。そこで、
「炎天下チャンスもピンチも真白き歯」
みたいなものを考えました。しかしどうしても中八になり、行き詰まっていました。
そこでふっと考えた。原句でも、すでにそのように言っているじゃないかと。
ナインがベンチに戻ってくる時は、敵の好機を好投や好守備で防いだ喜びや安堵感ばかりではなく、ボコボコに打たれて大量に点を取られて、ようやくチェンジになって引き揚げてくる時もある。その時にも白い歯を見せるからこそ、その姿が爽やかなのであって、ボコボコにやられて戻ってくる時に固く唇を引き結んでいたのでは、軍隊みたいで見ているほうも辛くなりますよね。

そんなわけで、提案句ございません。強いて言えば、歯は、真白くなくても普通に白くても十分に爽やかだ、ということくらいですね(笑)。
良い句を有難うございました。

点数: 1

炎天を銀行来ればさも避暑地

回答者 なお

添削した俳句: 銀行のソファー冷えたる避暑地かな

こんにちは。香田様、早々に拙句にご評価と温かいお言葉有難うございました。

御句について、色々考えているうちにすでに複数のコメントが寄せられました。私のコメントは重複するところもあると思いますが、そのまま書きますね。

御句は、まず一読して、香田さんがどこか避暑地の銀行に行った時の句だと思いました。その際に、避暑地だから涼しいのは当たり前ですが、その上で「ソファーが冷たい」ということは、「こんな避暑地の銀行なんて、誰も来ないんだな…。暇そうだな…。」という心境を詠んだ句だと思いました。
そのあとでご自身のコメントを読んで驚きました。全然違った!避暑地は比喩?

原句のままでは、下五を「避暑地かな」と結んでいるので、どう読んでも避暑地の銀行そのものを詠んだ句にしかなりません。比喩の場合は「ごとく」とか「めく」とかで、はっきりと比喩ですと言わないと、読者が混乱します。

私の提案句は特に面白くないですが、暑い中を銀行に来てみたら、さも避暑地のように涼しいことよ、という景です。

げばさんがおっしゃっているように、このサイトはとても勉強になります。私も新参者ですが、最近わかってきたことは、「自分のことは棚に上げていい」という、懐の大きな得難い風土です。
ぜひ香田さんも、ご自身の投句をなさる傍ら、大きな棚を用意して、他の方々の句にコメントしていってください。

点数: 1

外回り蕎麦屋駆け込みまずビール

回答者 なお

添削した俳句: 炎天下ぶっかけ蕎麦と瓶ビール

こんにちは。鈴木宏一郎様、いつもお世話になってます。

御句、勢いはいいですしお気持ちはものすごくわかりますが、他の方もおっしゃっているように季語を整理しませんと。
私は季語のスペシャリストではありませんが、わかる範囲でお伝えします(他の方々、間違えていたらご指摘お願いします)。
まず「炎天下」。夏の季語で、屋外のイメージですね。このままだと、屋外でジリジリした暑さの中で飲食することになります。
続いて「蕎麦」。「新蕎麦」で秋の季語です。「ぶっかけ蕎麦」は季語でないけど夏のメニューっぽいですね。
最後に「瓶ビール」。これは「ビール」が夏の季語です。

御句にはこうした季語の問題と、もう一つ、単に飲食物の名前を並べただけ感があります。
それは、ご自身のコメントにあるような、「我慢できずに…」という心情がどこかしらに少しでも表れると、あとは読者が想像すると思います。

提案句は、季語をビールだけにして、作者の状況や心情をちょっと語ってみたつもりです。蕎麦屋は単に飲食店の種類ですから季節の問題は大丈夫だと思います。また、ぶっかけ蕎麦は消えてしまいましたが蕎麦屋には入りましたので、これから頼む余地は残されています。この状況であればどう考えても鍋焼きうどんは頼まないでしょう(笑)。

実は外回りの途中でビールというのもいかがかと思いますので、特別にビール会社の営業さんということにしましょう(笑)。

点数: 0

「引き潮の貝の白さや炎天下」の批評

回答者 なお

添削した俳句: 引き潮の貝の白さや炎天下

こんにちは。よし造様、いつもお世話になってます。

御句の解釈ですが、「白い貝」は、普段は海底の深いところにいるので、それほど目立たないけれど、少しでも海が荒れると、波に掘り起こされて砂浜に打ち上げられる。それが引き潮のときにははるか沖のほうまで見られる。
いま私(作者)は、昨日までの荒れ模様が嘘のような炎天下、海岸の様子を見に来ている。ちょうど引き潮の時刻。やはりたくさんの白い貝が打ち上げられ、強い太陽光線に反射して光っていた。

という情景と思いました。

昨年はコロナの影響で海には行かず、今年も行かなそうです。もったいないことだと自分でも思っています…。

点数: 0

標識の意味わからねど七月尽

回答者 なお

添削した俳句: 止まれてふ七月尽の標識ぞ

こんにちは。げばげば様、いつもお世話になってます。

御句、最近のげばさんの躍進ぶりには目を見張ります。本句も「てふ」「七月尽」「ぞ」と、私などではとてもじゃないけど使いこなせない要素を取り入れて句作に励んでおられる。素晴らしい。特待生ですな。

さて御句。まず、げばさんが見た赤い三角だけの標識は、日本の一般標識にはないようで、おそらく、工事関係者が、「とにかく気をつけて!」という意味で、臨時に置いたのであろうと思います。で、私は、げばさんが「止まるの?止まらないの?」と悩んだ事実を大切にしたいと思いました。原句では、「止まれという標識」となっていますが、提案句では、「未だかつてどういう意味かわからない」としました。
「七月尽」は最もこだわった季語と思いましたのでそのままですが、下五にさせていただきました。

赤い三角だけの標識は、イギリスには普通にあるようですね。

点数: 1

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