「盃に浮かぶ花シワばかり増え」の批評
回答者 なお
添削した俳句: 盃に浮かぶ花シワばかり増え
田中なかすじさん、こんにちは。
御句拝読しました。
旧友と、桜を見ながらの語らいはいいものですね。
御句、「盃に浮かぶ花」ですが、まず、花と言えば俳句では桜のことですので、季語
的にはいいのですが、このままですと、桜の花がゴボッと全部浮いていることになります(わかりますかね?)。
おっしゃりたいのはそうではなく、散った桜の花びら(花片)が、盃に舞い降りたということですね。
あらちゃんさんのご提案句はその点を上手くお詠みです。花片(花びら)だけで単純に桜の花びらを意味して季語になるというものでもなく、やはりこれは桜の花びらなんだよと読み手に想像させるような作りが必要だと思いますが、「盃に浮かぶ」と「語らふ」で、花見の雰囲気を上手く演出しておられます。
御句に戻ります。
シワ、これは皺と漢字にしたいです。また、「シワばかり増え」はご謙遜と思いますが、俳句では謙遜するとそのまま受け取られる場合があります。御句ですと、「何もしないで年ばかりとった」みたいに。それは損ですので、見た通りを普通にお詠みになったほうがいいのではと思いました。
・盃に花びら友の皺増へし
・桜散る語らふ友の深き皺
皺が増えたのは友だちだけでなく自分もですが、友のと言えば読み手は「作者もだろう」と想像してくれると思います。
点数: 1