「双六に靴下挟む仮寝かな」の批評
回答者 イサク
添削した俳句: 双六に靴下挟む仮寝かな
こんばんは。
前の句も拝見しております。
どちらの句も「わざわざ難しく言おうとしている」「詰め込み過ぎている」という印象を受けます。
これまでにそのような学びをされているかもしれませんが、私のこれまでの学びは「シンプルに」「句の受け手を信じる」「季語を立たせる」「基本は描写」なので、コメントの意図が合わないかもしれませんがご容赦ください。
◆まず、「双六の最中に靴下を脱ぎ捨てる」ことを言いたいのか、「双六の終わった後の風景」のことを言いたいのか、です。
季語「双六」は双六をしている最中の風景になりますので、前者ならば残りの音数は全て他の表現に使えますが、後者なら「双六終え」「双六果つ」などとしないと、かなり伝わりにくいかと思います。
◆「子が靴下を脱ぐ(双六の最中)」「脱いだ靴下が双六盤の下に(双六の後」「子はうたた寝をする(双六の後)」をなど全部入れていくとなると、とうてい一句に収まる情報量とは思えず・・
◆「足袋・靴下が脱ぎ散らかされている」ことを説明したい句です。季語「足袋」を使った途端にそちら側にスポットライトが当たってしまうので、「足袋」を使いつつ主な季語を「双六」にするのは相当気を使います。
・双六や子は靴下を脱ぎ捨てる
・双六果つ子の靴下の丸まりて
・靴下の脱ぎちらかされ絵双六
・靴下の挟まっている双六盤
・双六盤に足袋挟まつてゐたりけり
・靴下も足袋も散らばり絵双六
ここからスタートしてあとは想像に任せる。私の技量では、まずこのあたりからが限界です。
推敲すればもう少し情報が入りそうですが、句意と誌の問題もあるので、一旦ここまでで。
点数: 2