「寸胴の鳥こそ渡れ秋津洲」の批評
回答者 イサク
添削した俳句: 寸胴の鳥こそ渡れ秋津洲
こんばんは。はじめまして。
私はチャレンジが好きなのに厳しめ、というややこしいコメントを残しますのですみません。
同じような意見がそれなりに出ているようですが、一応。
◆がっつり命令形に見えます。
作者の意思・希望が出ているようで面白い表現でした。
◆季語の分解、係り結びのためだけに助詞を入れて分解しているような雰囲気がありますね。「鳥が渡る」を許容するかどうか?
御句の場合は「寸胴の鳥」をフィーチャーすることが第一の目的なので、ここを否定したら句が成立しない可能性があるので難しいところ。
さらに「こそ」の強意に限定の効果もあるので、「寸胴でない鳥は渡らなくてもよい!」ぐらいの意思を感じてしまいそうな点も、気になるというか損かもしれません。
◆下五で「秋津洲」と理屈で景を広げてしまったのは得策ではなかったように感じます。
句の主となる景は「渡り鳥(寸胴の)」。日本へ来る鳥が季語の「渡り鳥」であるので、「日本」という意味を加えるのはかまわないと思いますが、「秋津洲」は少し気どりが出ているように思いました。句の主となる景も「秋津洲」となっているように感じます。
冬鳥なので、羽毛が膨らんで寸胴に見えますが本体は細い、という理屈を想ってしまいますがとりあえず胸に秘め。
私なら「秋津洲」と言わずに風景を足すと思います。という提案句を置いて去ります。
・灰色の空寸胴の鳥渡る
点数: 3