俳句添削道場(投句と批評)

イサクさんの添削得点の低い順の1353ページ目

「暁の参道冴ゆる石畳」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 暁の参道冴ゆる石畳

おはようございます。

「冴ゆ」はかっこいい季語ですよね。
なんでもかんでも「冴ゆ」をつけたがる初心者さんも多いのですが、きっちり使い分けましょう。

御句は
◆「参道」と「石畳」の重複感(お二人から先にあります)
◆まず、語順と文法の問題です。
 「冴ゆる」がかかっているのは「参道」ですか?「石畳」ですか?
 「冴ゆる」がどっちにかかるか、文法からも意味からもわからない「山本山」です。
 作者としては「どっちでもいい」はやめて、できるだけ誤読のない形を目指すべきだと思います(こま爺様に同じ意味のコメントがあります)

◆「寒し」「冷たし」などと比べて「冴ゆ」はどんな季語か?
 国語辞典や歳時記は確認しましたでしょうか。

 「冴ゆ」は主に「冬の空気の寒さ・湿度の低さなど」によって「空気が澄んで、光や色や音が鮮やかに感じられる」という季語です。
 季語単独で使った場合上記の「空気感」のことになりますし、名詞と同時に使って「○○冴ゆ(る)」の形になることも多いです。
 例えば「鐘冴ゆ」という季語の意味は音に寄っていて、鐘の音が冴えて聞こえることを表します。鐘に触れて冷たかったという場合は「鐘冷たし」となります。
 他にも「月冴ゆ」「星冴ゆ」「風冴ゆ」などの形がよく出ます。

 御句は、山本山なので解釈を二通り考えますが
◆「暁の参道冴ゆる」とかかるのが作句意図なら「朝の参道の風景が冴えて見える」と解釈できるのですが、文章や俳句五七五のつながりが不自然な感じです。少なくともこの意味の場合、語順は「冴ゆる暁の参道」にしたいところ。
◆「冴ゆる石畳」とかかるのが作句意図なら、「石畳が冴えて見える」という感覚になります。間違ってはいないのですが「冴ゆる」という季語の感覚が、目の前にあって触れられる「石畳」に合うかどうか。
 とはいえ、いろいろと「冴ゆる」をかけ合わせて受け手を感動させるのも俳人の腕次第。

提案句は「参道が冴えて見える」の方の意味で。

・暁の参道冴えわたりにけり

点数: 2

「村里の焚き火やお日様の欠片」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 村里の焚き火やお日様の欠片

おはようございます。

「お日様の欠片」チャレンジとは「句またがり」のことですか?それとも?
「句またがり」ならば、俳句1年目のプレバト俳人も多用している技法ですし、ガンガンやってみたらいいと思います。

御句
◆一読で気になったのは「村里の」という上五でした。場所・風景を説明的に置いて、かつ音数合わせのような上五です。
 「都会の焚き火」はあまりありませんのでわざわざ「村里の」と言う必要は?とも思いますし、作者がどうしても説明したいとしても「村」「里」の二音でよいところを「村里」と言う理由は?とも思います。

◆後半の「お日様の欠片」
 「お日様」という幼い表現を使った理由が掴めませんでした。
 「熱・光」がある表現のため「焚き火」と近く、焚き火のことを比喩しているように感じてしまいます。が、比喩としてはやや陳腐で幼稚な表現。
 「(夏の太陽と比べて)お日様が欠片程度にしか感じない」という意味に解釈し、取り合わせと受け取ることもできます。が、「太陽」とせずわざわざ「お日様」とした意図は汲めず。
 こどもの発言を俳句にするという手法もあります。が、ならば上五はますます「村里の」という説明よりも他にやれることがありそうです。

たとえば
・おひさまのかけらあつめて焚き火かな (こどもの発言俳句に寄せて)
・太陽が欠片のようだ焚き火の背 (太陽が弱く感じることとの取り合わせ)

点数: 2

「退院の妻の迎へや冬うらら」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 退院の妻の迎へや冬うらら

こんにちは。

よかったですね。
まずは平穏な日常の取り戻すことを祈っております。

そして私個人としては、ご自身で推敲することでさらに気持ちの残る句を目指していただきたい気持ちがあります。なので、いつもどおりにコメントさせていただきます。

◆中七「妻の迎へ」の助詞「の」に、主格に見えてしまう誤読があるようです。
 つまり「退院の(夫を)妻が迎へ」る、という誤読ですね。

 両方の意味にとれてしまうのは、この句の場合損する形だと思います。
 誤読を回避して、「作者が妻【を】迎える」という意味を確定させたいです。

助詞「を」を補うか、あるいは中七の助詞を省略することで「退院の妻」を強く出してみます。

・退院の妻を迎ふる冬うらら
・退院の妻迎へけり冬うらら

ひとまずここまで。さらにご本人で推敲していただければ。

点数: 2

「低山と言へど急坂寒椿」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 低山と言へど急坂寒椿

こんにちは。
とある方(投句せずにコメントだけする方)からなにやら怪しいコメントを頂いていて、書き込みを躊躇していました。その件は通報済みですが、なお(じい)様含め他の方々もご注意ください。

私の「行く秋」の句についての質問の件です。

他の方からも似た質問がありましたが、ご存じのとおり自句自解は避けているのと、作為と句から読み取れるものは別問題であるという思いがあるため、スルーしておりました。
とはいえ一か月たつ句ですし、なお(じい)様のコメントの気になるところを質問しつつ、一旦自分の考えをお伝えします。
(他に同様の質問をした方も、こちらを見ていただけると幸いです)
(とはいえ対した理由はありません。以下長いのはほとんど前振りです)

まずなお(じい)様の
俳句ではできるだけ漢字表記を、と言われているなか】
これ、私はこのようなことを言われたことはありません。漢字かひらがなか、決めるのは作句者の責任と学んでいます。

【初心者】の【表記】について、下のようなことはよく言われますね。
歳時記掲載の季語は、できるだけ歳時記の表記に従う。動物・植物は、日常ではカタカナを使っているケースが多い(例:カブトムシ、ヘビ、ヒマワリ、スズラン、ナス)が、歳時記に漢字で記載されている季語は、できるだけ歳時記に従って漢字で書く(例:兜虫、蛇、向日葵、鈴蘭、茄子)か、ひらがなで書くのがセオリー。外来種など、本来の表記がカタカナのもの(チューリップ・キャベツなど)は除く。

という話とは違いますよね?
句中の措辞を漢字にするかひらがなにするか。カタカナ・当て字・記号も含めて、表記を選ぶ責任は作句者にあります。句は作者の選んだ表記をもって鑑賞されるべきではないかと思います。
飛行機衝突かみひひな墜落/イサク(2022/02)
 ⇒全部漢字なら『飛行機衝突紙雛墜落』
句に対して、受け手が「漢字の方がいい」「ひらがな表記がいい」と思うのは自由ですし、添削道場で提出された句に対して意見をコメントするのは問題ないと思います(上記の句は例として出しただけで、コメントを望んでませんよー)

前置きが長くなりました。
私は普段「読みやすさ」「表記の印象」などから漢字・ひらがな表記を選ぶ傾向があるようです。迷った場合は書いて比較します。
「ねこ」をひらがな表記にした理由。ぶっちゃければ「『ねこ』という表記がこの句にとって良いと判断した」という言い方が正しい気持ちです。

もっと具体的な理由が必要だとしたら、
例えば季語を主役と考えた場合

・行く秋や猫にフェンスの隙間あり

・ゆくあきやねこにフェンスのすきまあり

・行く秋やねこにフェンスのすきまあり

一番下が一番季語「行く秋」が立ちそうな気がしません?
(後付けの理由ですが、そこそこ芯を食っているような気がします)
もちろん、正解はありませんし、この句にとってベストかどうかはわかりません。

長くなってしまったので御句についてはまたいずれ。

点数: 2

「鬼隠し作り笑顔や今朝の冬」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 鬼隠し作り笑顔や今朝の冬

こんばんは。

語順と言うよりは、説明しよう説明しようという気持ちが強すぎるのだと思います。要素を詰め込み過ぎて理解しにくくなっていると思います。
初読では「鬼隠し」が何かの名詞のようで、「【鬼隠し】作り、笑顔や」という誤読をして、しばらく悩んでいました。

「心の鬼を隠す」と言えば「作り笑顔」は言わなくても伝わると思います。
「作り笑い」と言えば、「鬼」と言わなくても本当は笑っていないことは想像できますよね?
このどちらかだけ、を基本にして、詰め込み過ぎずに整理したいです。
一旦、季語はそのままで。

・今朝の冬心の鬼を隠しつつ
・作り慣れし作り笑ひや今朝の冬

こんなところでしょうか。

あと蛇足ですが追記です。
季語「今朝の冬」は、「立冬の日の朝」という意味で、「今日から冬になる」という意味になります。
今年の立冬は11/7でした。つまり一か月前の季語です。
この句の本当の季語は「冬の朝」かな?と思いました。そうではなく立冬の朝のことを言っているのでしたらすみません。

点数: 2

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