俳句添削道場(投句と批評)

イサクさんの添削投稿の古い順の1345ページ目

「行く秋や別れを惜しむ帰り道」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 行く秋や別れを惜しむ帰り道

こんばんは。はじめまして。
季語「行く秋」を使ってますね。俳句を勉強している方でしょうか?

初心者扱いをしてすみませんが、段階を経ていきます。
「季語ひとつ」「五七五」はできています。
「日本語の意味」もわかります。
「三段切れ」「文法ミス」「誤字」などのイージーミスもないようです。
なのでけーた様は、俳句の【形】の基礎はできていらっしゃると思います。

次の段階です。
どんな風景を詠みたかったのでしょうか?それがわかりませんでした。
御句を見て、誰と誰が別れを惜しんでいるのか、どこからどこへの帰り道なのか、想像することが難しいです。この点が、けーた様も気づいている「全体的に抽象的な感じ」なのだと思います。

なぜそうなってしまったのかというと、
◆「別れを惜しむ」という言葉は慣用句というか常套句ですが、ここに全く映像や具体性がありません。「別れを惜しんでいる」という説明でしかありません。
◆「帰り道」これも、どこからどこへの帰り道か、この言葉だけでは想像が難しい言葉です。

で、さらに原因をたどれば、けーた様が【誰の別れ】【どんなシチュエーションの別れ】を伝えようとしているのか、おそらく自分で整理できていないのでは?と思われます。
伝えようとしている映像を整理せずに、五七五にそれっぽい単語を繋げたような印象を受けます。これはポップスの歌詞などでも同じで「それっぽい単語」を並べただけでは、うすっぺらな内容しか伝わりません。

「伝えたい映像」が整理出来れば、要る言葉と不要な言葉が整理できます。「惜しむ」はいう必要がないかもしれませんし、「帰り道」も要らないかもしれません。

たとえば
・行く秋や別れの駅の帰り道
 ⇒「駅」を入れるだけで「駅」という映像が出て、駅から家へ帰る道だということがわかりませんか?

・行く秋の別れの駅の親子かな
 ⇒こうすると「親子」の姿まで想像させることもできます。大学入学や就職で親元を離れる青年と、見送る親かもしれませんね。

・行く秋や別れの親子泣く駅舎
 ⇒「泣く」まで入れると、クサさ、説明しすぎ感が出てきます。言わずにおいて「別れるのだから、泣いているかもしれない」と思わせたいところです。

こんな感じです。
言葉には力があります。いろいろ試してみてください。

点数: 4

「庭積もる白き雪花色競い」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 庭積もる白き雪花色競い

こんばんは。こちらのお名前変えられましたね。
あちらでの句はしばしば拝見しています。
意見を言いにくい場ですので、見るだけになっておりますが。

御句、俳句としては極めて難しいことをしようとしています。

◆一句の中で「雪」も「花」も詠む
◆花の種類を言わずに花の白さを詠む

どちらもウルトラCどころかF難度G難度くらいの技術が必要で、その難しさに気付いてらっしゃらないことが問題のようです。

細かい点では
◆「白き」と言わなくても雪は白いものなので、敢えて言うのは説明っぽいです
◆競っているのは「色」ではなく「白(さ)」では?
◆「白き雪花色競い」説明無しでは言葉の切れがどこにあるか不安になる形です。初読では「雪花」(=雪のこと)がそれぞれに競っているのかと思いました。

雪の句に植物の花を入れるのは超難しく、私に提案句は作れません。私が誤読した句意で提案するならば

・雪の花庭に白さを競ひあひ

こんな感じです。

点数: 3

「堤防の河豚は木乃伊となりにけり」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 堤防の河豚は木乃伊となりにけり

おはようございます。
ちょびっと厳しめです。

◆散文・報告文です。
 下五に「けり」は使っているものの・・
◆この句の「死んでカラカラに乾いたフグ」は季語「河豚」として成立しているでしょうか?
 今月のアドバイスにも「季語が季語としての力を発揮できてない句がかなりありました」とあります。御句はどう思います?
 「河豚」がなぜ「冬の季語」なのか、一度振り返ってみてください。
◆「散文」問題が原因でもあるのですが、時間軸が散漫になっていると思います。
 この句の「河豚」を見たのはいつ?と思うと、捨てられてかなり時間が経過している気がします。と思えば「季語としての力」問題にも繋がります。
◆かろうじて「河豚」の映像が出ているので、季語が動くとまでは言えないものも、他の外道魚でも成立する句です。夏の「ごんずい」とか「ひとで」とかを想像してもらえればわかりやすいかと。そしてこういう類想は多数あります。
◆「インパクト」は上位選に入るには重要かもしれませんが、この句に限って言えばインパクトの問題ではないと思います。
 自身の句としての「オリジナリティ」は要ると思いますが。

きびしめでしたすみません。

点数: 6

「魚が氷に上りて靄の築港よ」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 魚が氷に上りて靄の築港よ

かぬまっこ様からもありますが、

「魚氷に上る」時候の季語ですので、眼の前で魚が氷の上にのっているわけではありません。「魚が氷の下で活動を開始して、氷の割れ目から上へ顔を出すような気候」のような意味かと思います。

実際に「魚が氷の上に並んでいる状況を詠んだ」としたら、「魚氷に上る」という季語とは関係ないないですね。かといって「氷」もこの句では季語ではない(製氷機の氷なのでは?)ので、この句は季語が行方不明かもしれません。

点数: 1

「銀世界煌めく心氷のよう」の批評

回答者 イサク

添削した俳句: 銀世界煌めく心氷のよう

はじめまして。俳句初心者様ですね。

まず、なおじい様からも同じような言葉がありますが、俳句は【五七五というリズム】と【季語という詩の言葉】を利用して作る【詩】である、というのはなんとなくおわかりであるように思います。

そして俳句とは日記のような自己完結文学ではなく【誰かに見せる(読ませる)もの】なので、言いたいことがそれなりに伝わった方がいい、というのはあります。

詩保子さまの句について
『雪が降りワクワクしている子供を表した』とコメントされています。
ですが詩保子さまの句を見て、【こども】の様子が想像できるでしょうか?
わたしには想像できませんでした。

「銀世界」これは一面の雪野原のような意味の言葉ですね。この言葉に、雪が積もっているような風景は辛うじてあるかもしれませんが、
「煌めく心」これは誰の心のことを言っているのか、わかりません。作者の心のことでしょうか?
「煌めく心氷のよう」キレイですが冷たい心、というように受け取れます。

コメントに『直球すぎて』とありますが、私の感覚では逆で、【比喩】や【雰囲気が出るっぽい綺麗な言葉】が多すぎて、受け取った方は何を想像したらいいかわからない俳句になっています。

俳句というのはたった十七音(字ではなく【音】)という短さで伝えなければならないので、ある程度具体的なことを書かないと『全く伝わらない』ということになりがちです。
あらちゃん様からもありますが、まずは「見たまま」を伝えることが基本になってきますので、『伝えることを意識してみる』ことをお勧めします。
(想像の風景を描く場合も「伝える」という意識は同じです)
上達してくると、もう少し別のことも気にしなければならなくなりますが、まずは「読者に伝える」ことからお勧めします。

「見たまま」ということで、子が本当に「ワクワクしている」かどうかは本人しかわかりません。なので「子がワクワクしてそうな時にする行動」を描いたり、自分が子の気持ちになって「ワクワクしている」ことを表現したり、という方法があるかと思います。

たとえば、という句をいくつか置いていきます。

子が外で走っているならこんな感じです。
・雪降るや子ら白銀を駆け巡る

窓から、自分がこどもの気持ちで眺めているなら
・雪降りて銀の世界となる街よ

こどもの描写に徹するなら
・雪降りて子の眼差しは窓の外

こんな感じでしょうか。

ついでに季語の勉強をしつつ、引き続き、俳句作ってみてくださいね。

点数: 1

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