俳句添削道場(投句と批評)

秋沙美 洋さんの添削得点の低い順の290ページ目

「仙人の如く吾子らが梨齧る」の批評

回答者 秋沙美 洋

添削した俳句: 仙人の如く吾子らが梨齧る

カイさん、こんにちは。
疑問を抱いてらっしゃるようなので…

ささゆみさんの「梨や喰う二十世紀を振り返る」
この句の「梨」と「二十世紀」は季重なりではないと思います。
まず「梨」が季語であるのは言うまでもないので、「二十世紀」を季語として扱うかどうかが争点になりますね。

カイさんが言うように、「二十世紀」という語句はこれ単体で歳時記に掲載されています。二十世紀梨の事ですね。
ただ、「梨や喰う二十世紀を振り返る」の場合、冒頭で既に「梨」という季語を出しています。ですので後に続く二十世紀が指すのは季語としての二十世紀梨ではなく、時代としての二十世紀になると思うんですよ。
仮にこの二十世紀が季語で、二十世紀梨の事を指しているのだとしたら…梨を食べて二十世紀梨の事を振り返るという、梨を二回も出すヘンテコな句になってしまうと思いませんか。
ささゆみさんの句が意味する所は、「二十世紀梨を食べて、戦争や高度経済成長といった歴史、そして私自身の過ごした二十世紀に思いを馳せる」くらいの意味かなーと思います。

とはいえ僕はささゆみさんではないので、こういう構成でこういう句意があるから二十世紀は季語じゃないです。と断言する事が出来ないのが現実であります。
僕が答えていいものだったかどうかまだ分かりませんが、色んな方に何回も何回も聞くほど気になっている様子でしたので、僕の考えをお話しさせて頂きました。
あくまで個人的にはこう感じる句だったよ、という一読み手の一意見ですが、カイさんの疑問が解決に近付けば幸いです。

点数: 3

「吾子の足もつれてぺたん秋の晴れ」の批評

回答者 秋沙美 洋

添削した俳句: 吾子の足もつれてぺたん秋の晴れ

晴峯さん、こんにちは。
御句読ませて頂きました。

可愛らしい一句ですね。もつれて「ぺたん」となるあの感じ、分かる〜。
久しく赤ん坊の相手をする事はありませんでしたが、ちょっとだけ親バカっぽい晴峯さんの句に心洗われるようです。

点数: 3

「州兵の仰ぐ無月や投票日」の批評

回答者 秋沙美 洋

添削した俳句: 州兵の仰ぐ無月や投票日

石垣さん、こんにちは。
御句読ませて頂きました。

これはかなり良いと思います。
「州兵」これだけでアメリカに関する出来事なのだと読者に印象付けさせます。この州兵という語句の経済効率は半端ないですね。
そして下五の「投票日」も臨場感溢れる一語です。
投票日、まさにアメリカの未来が決まるといっても過言では無い一日。その日の終わりに、無月を仰ぐ州兵…いったいこの兵はどんな思いで無月を仰いでいるのか…
読者へ想像させる余白の作り方も上手いですねー。

点数: 3

「見返りて名残る札幌雪まつり」の批評

回答者 秋沙美 洋

添削した俳句: 見返りて名残る札幌雪まつり

イサクさん、こんにちは。
御句読ませて頂きました。

「名残る」は読み手の主観が強く出過ぎているように思います。
「札幌雪まつり」を「見返る」人、それだけで雪まつりへの名残惜しさは十分に読み手へ伝わるのではないでしょうか。
代わりにどんな雪まつりだったかを描写すると、名残惜しさがより伝わるかと思います。

「見返れば札幌雪まつり明かし」
としてみました。

点数: 3

「春の雪溶けてなくなりまた積もる」の批評

回答者 秋沙美 洋

添削した俳句: 春の雪溶けてなくなりまた積もる

村松平良さん、こんにちは。
あなたの俳句を読ませていただきました。

春の雪が溶けてなくなり、またふっては積もっていく…家の庭で見えた様子を、すなおな言葉で書けていると思います。

小学生三年生のあなたの俳句を読んで、三年生のころの僕はどんな子だったかなあ、と考えました。
友達とポケモンのゲームをしたり、コロコロコミックを読んだりと、遊んでばかりの子どもでした。自分で俳句を作ってみようなんて、考えた事もありません。
村松さんは自分で俳句を作るだけじゃなく、それに自分でコメントを書き、インターネットに公開している。これはとてもスゴい事だと思いますよ。

ですが、インターネットを使う時には、気をつけなければいけない事が色々とあります。
インターネットには色んな人がいます。中には村松さんのような子どもに、イジワルなコメントをする大人もいるかもしれません。

ですので、もしこれからもインターネットを使って俳句を作っていくのなら、かならずお家の人と相談して、いっしょにやって下さい。
これはとても大事な事です。なのでゼッタイゼッタイに守ってくださいね。

点数: 3

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